yatohikoのブログ【酒と泪と男と???】

まあ日々の徒然ってことです・・・

大衆文学と純文学・・・大袈裟な

 

第7回日経小説大賞の選考理由が日曜日の新聞に掲載されていた。

受賞作は西山ガラシャさんの「公方様のお通り抜け」

選考委員の伊集院さん曰く

 

「今の新人の方が応募してくる時代小説は、パターン化されたものが多い。こういう時代小説が良いだろうという思い込みがあって、逆に面白みを無くしている。

受賞作は普通で考えると、将軍とたかだか屋敷の庭に出入りする御用聞きに接点が起こるわけ無いのに、リアリティーを越してうまくストーリーを作っている。そこが抜きんでている。」

 

まだ読んでいないけど、時代劇の八代将軍吉宗一心太助に出てくるようなイメージなのか?

さらに伊集院さんは言いにくいことを言い切っているのがいいな。

 

「面白いのが一番だよ。難しいのはダメ。みんな毎日働いて、疲れてから本を読むんだから、役に立つか、面白くなきゃだめ。いろいろ意見はあるでしょうけどね、純文学系の人には。」

 

好みや考えは人それぞれだから、いろいろあっていいなと思う。そこを認めた上で、自分の考えを言い切るところがいいな。

僕も純文学は苦手です。

 

火花 又吉直樹文藝春秋

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話題になっているので読んでみた。

ちょっとしたブーム(マスコミが作っている感ありありだけど・・・)

確かにとても語彙が豊富だなと感じます。
純文学好きの読者には少し物足りないのでは?
純文学がこの頃少し苦手という人(私も)には丁度いい加減なのかも。

 

 

 

眠れない夜に Part2

 

 

 

ここのところの夜中に目を覚まして物思いにふけることが定例化しているような気がする・・・

平日は座禅や瞑想をするんだけど、休み前の土曜深夜はお酒を飲みながら本を読んでいる。

このパターンはいいかも。

平日は明日のことを考えてできないんだが、休み前だと気持ちが落ち着いて、夜中に起きてお酒を飲むことにストレスを感じない。

これはいいかも。

こうやってバランスを取っていくんだな。

 

ビリギャル 坪田信貴(角川文庫)

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去年でしたね、映画にもなって話題になったのは。
読後は、「またまた これ ほんまか?」でした。
でも、今の本人の活躍を聞くとノンフィクションなんだなと納得。
本人もすごいなと思うけど、坪田先生のプロ意識というか、きちっと客観視して冷静に分析、判断して指導していくところ、そして、その点を偉ぶらないところがいいな。

冷静だからといって決して冷たいわけでは無い。

常に、前向きな視点で向き合っている。

 

 僕たち一人一人の人間にとっては、誰もが無理だと思うようなこと、あきらめかけるようなことでも、「気持ち」と「方法」次第で、人はそれを変えられる大きな力を持っているのだと、さやかちゃんとその家族はきっと教えてくれたのだと思います。
 そして、もう一点。君が成功した一番の理由は、「中途半端なプライドを捨てて、恥をかくのを恐れなかった」ことにある、と言うことです。

人と人の絆が染みる

 

赤めだか  立川談春(扶桑社)

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今一番チケットが取れにくい噺家さんなのではないのでしょうか。
下町ロケットに出ていた殿村経理部長さんです。味のある演技をしていましたね。

 

番組での名言
社長、あなたは夢に愛されている。
だから!逃げちゃいけないっ。お願いだから、諦めないでください。
銀行員の端くれとして何百の会社を見てきた。佃製作所は良い会社です!

 

落語家の師弟関係というのはこんなにもすごいものなのかと感じさせてくれるエッセイです。8年ほど前に単行本になり、昨年末に文庫本で出版されたものです。どんどん引き込まれます。

 

吉本興業女マネージャーさんの話もえっ!うそっ!でしょって内容でしたが、落語家の方が歴史がある分だけ迫力があるのかな。ひとつひとつのエピソードに下げがある。
立川談志がすごいのはもちろん、立川談春もすごいのでしょう。

僕には他の一門、他の師弟関係は知るよしもないけれど。

 

16歳で立川談志の芝浜を聞いて、

”人生で受けた最初のショック。あれ以降の驚きは以後無いので最大とも言える。”


高校を辞めて入門するとき、ちょっと後悔しているかも感の自分(意識の上から見ているもう一人みたい)をおもしろおかしく表現して、さすが落語家だなと。
内容は修業時代のハチャメチャなドタバタ劇、僕たちから見ればとてつもない試練の数々です。

でもそんなドタバタ劇よりもジーンとくるのが、談志(談春の師匠)の師匠である小さんが会長をしている落語協会と喧嘩別れして、絶縁状態がつづいていても師弟の絆の深さを感じる。


談春
「小さん師匠」
「なんだい」
「実は今回の件で、談志が是非小さん師匠にお目にかかって、一言御礼を申し上げたいと云っております。」
花緑の顔色が変わった。部屋に緊張が走る。小さん師匠は、暫く考えた後で、おれ(談春)から視線をはずすと、ひとつため息をついてから云った。
「そんなことはしなくていい。あのな、談志は一家を構えて、たくさんの弟子をとって、独立して立派にやっている。今更おれのところに来なくてもいい。あいつは・・・・、今のままでいいんだ」
おれ(談春)も花緑も、黙ってうつむくしかなかった。
それぞれの思いがもつれていく・・・・。


小さん師匠は談春の高座で
「本日は談春の会で、当人、真打ちを目指して頑張っております。談春は・・・・」
ここでブレス。観客もおれ(談春)も前のめりになる。
「ししょう(談志)に惚れきっております」
一瞬の間の後で、
「もっとも弟子が師匠に惚れるのは当たり前なのですが・・・・」
と云うと、ちょっと困ったような表情をした。満場大爆笑、大拍手。


小さんの葬式に出なかった談志は
「葬式、つまり儀式を優先する生き方を是とする心情はおれ(談志)の中にはないんです。そんなことはどうでもいい。何故なら・・・・」
イエモト(談志)は、ちょっと胸を張って云った。
「おれ(談志)の心の中には、いつも小さんがいるからだ」

 

いいと思いませんか?

今年も新入社員を迎え入れることができ嬉しい・・・予定ですが(笑)

 

吉本興業女マネージャー奮戦記「そんなアホな」

 大谷由里子(立東舎)

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最初に扶桑社から、そして次に朝日文庫から、そして立東舎から再々出版。
出版業界に詳しくないのでよくわかりませんが、再々出版っていうのはよくあることなのでしょうか?
出版関係の人はこの本を皆さんに読んでもらいたいんだなと勝手に思っています。


著者が大学を出て吉本興業で3年間「死ぬほど働け、死なへんから」(笑)と言われ続け、体当たりで仕事に取り組んだノンフィクションです。
 

常見陽平さんの後書きに
 「これ、フィクションだよね?”盛って”いるよね?”作って”いるよね?」

  読み始めてすぐに、そんな疑問を抱いてしまった。本のタイトルどおり 

  に、「そんな  アホな!」と叫んでしまった。

 

僕も同感。

これが本当なら、大谷さんはようがんばったな。そして、吉本の芸人さんたちは大谷さんによう我慢した・・・(笑)

社会の中は理不尽だらけ。でもそれが当たり前だと思えばなんてことは無いことがほとんど。こんな書き方をすると、「お前自身が理不尽のくせして気づいていない!」なんて言われそうだが。

僕は学校を卒業するときに、恩師から「3年間やってみて稼げない(会社に利益をもたらせない)ようだと、向いていないから転職した方がいいぞ。だから3年間は後先考えずとにかく精一杯やりなさい。」

入社したての頃、上司から「最初の3年間は寝食を忘れて仕事に取り組みなさい。そうすると見えてくるものがあるし、後が楽だよ。」と言われたことを思い出します。

表現は違うけど、今思うと言いたいことは同じだったんだろう。
今では新入社員に同じことを言っているので、その通りだと思っています。
人によってはそう感じない人もいるかもしれませんが・・・。

  
吉本は私にとって、特殊な会社でも何でも無かった。

活気があって、魅力のある会社だとよく言われるけど、結局は人。個人の魅力だと思う。

会社は個人の集まりで、たまたま吉本で扱っている商品がタレントというだけで、他の会社と何ら変わらない。

どんな会社だって活気があれば魅力的だろうし、なければそうじゃないだけ。要はおのおのがどれだけ魅力的かだと思う。魅力的な人間の中に入ったら、自分もそうなりたいと頑張る。
それだけじゃないかな。私もたまたまそうだっただけ。

上司や先輩のようになりたいから、ひたすら頑張った。みんなの仲間に入りたいからいろいろ勉強した。そういう環境や、自分の気持ちが大切なんじゃないかと思うのだ。


僕もそう思う。

心が叫びたがっているんだな~

なんとなくここのところモヤモヤしている。

モヤモヤ病ではありません。

春の訪れ感が例年より早いし、気圧の変化で自律神経が乱れているからなのか。

夜中に目が覚めて(この年になると少し頻尿かな・・・笑)

いつものようにすぐ再び眠りの世界に入ることができないときが多い感じ。

そんなときは、冷蔵庫から日本酒を出して飲みながら適当に本を読む。

 

"心が叫びたがっているんだ" 豊田美加(小学館文庫)

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去年の9月にアニメ映画になっていたんだってね。全く知りませんでした。タイトルに惹かれて読んでみました。

言葉は人を傷つける。
幼いころ、何気なく口にした言葉がきっかけで家族をバラバラにしてしまった主人公の成瀬順。
それ以来、おしゃべりを封印され、ひたすら目立たないように送っていた高校生活。
そんな高校生活の中で「地域ふれあい交流会」の実行委員に指名され、その上ミュージカルの主役に抜擢。おきまりの紆余曲折があるも感動的な最後。

 

心のままに言い合える仲間、家族がいるのは幸せなことだな。

言いたいことを聞いてくれる人がいる。ちゃんと答えてくれる人がいる。声にすればいいんだ、心のままに---

 

 

そうだ今日で57歳・・・少々頻尿でも仕方ないか(笑)

全く関係の無い閑話休題でした(*^-^*)

 

この街を出て行くだけだよ~

 

土曜日は3月いっぱいで会社を退社して東京に帰る友人の送別会。
駅前横丁の店で7人も入れば満席のところに12人!

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毎週人を変えて送別会をしている。人柄なんだな。

退社する理由はひとつでは無く、病気、何年か前に一旦止めようとするもお世話になった人に引き留められてお礼奉公、現在の社内環境悪化などなどいろいろあって決断したようだ。

その中でも今まで迷っていたことが、健康のことで引き金になったんだろうと推測。これからの人生良い人生でありますように。

 

宴会は盛り上がりましたね。美味しいお酒もいただきました。

 獺祭二割三分をこころおきなく頂きました(*^_^*)

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獺祭は美味しいんですが、冷やだとすっきりしすぎて少し物足りない印象でした。今回は常温で飲んだらお米のふくよかさがしっかり感じられてとっても美味しい(^_^)b
カラオケをひとしきりやってお開きの後、皆さんはプラチナム名古屋へさらに弾けに行き、僕は帰路につきました・・・と思ったのですがちょっと名駅割烹大島でクールダウン。        f:id:yatohiko:20160307084928j:plain     

久しぶりにボンバーガール歌ったんで興奮していたんでしょうかね!(^^)!

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 今宵も楽しい夜でした(^_^)b

”初めて被災地に行って見て、聞いて、触って”

昨年10月に初めて被災地を訪れました。
(一日目)
仙台→三陸自動車道経由で南三陸町→さんさん商店街で昼食→南三陸復興まちづくり情報センターで復興事業概要説明→防災庁舎、工事現場視察→仙台宿泊 

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(二日目)

 閖上地域視察→南相馬沿岸地域を走行して除線作業地域視察→福島第一原発付近通過→双葉町・富岡町→いわき

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宮城県は復興工事の進捗状況は別にして、工事はそれなりに進んでいて活気もあるし、何かしら人が動いていて活力を感じる。
福島県の20km圏内に入ると少しずつ感じが変わってくる。工事関係者以外の人を見かけなくなり、生活感を感じなくなってきた。6号線のあちこちに猪と衝突注意の看板があり、国道6号線と交差する道はすべてバリケードとガードマン。

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帰還困難区域の中で富岡駅周辺だけは車の外に出ることが許されていた。被災した建物がそのまんま残っている。ものすごく、なんとも言えない違和感と寂寞感がある。個人の建物だから勝手に取り壊せないみたいだ。ニュースで見るのと実際見て感じるのはこれほど違うものなのかと。

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今回の被災地訪問では東海地震はこんな感じになるのかなと、寂しいというか、大変だというか、でもまだ大丈夫だという気持ちが入り交じっていた。

・・・自分で何が大丈夫なんだよというツッコミを入れながら・・・

 

この本は、去年の夏くらいに買って積ん読状態でした。
不登校になった友人の息子とライターが被災地を廻る旅に出て、触発され、感じて心に変化が起き、前に歩き出したというドキュメントノベルです。

希望の地図 重松清幻冬舎文庫

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 釜石の人々がいかに挫折を希望の糧にしてきたかを調べることは、これからの日本の進む道を考えることにもつながる。
「釜石の人たちに話を伺ってみると、”だいじょうぶ”という一言が大事なんだなあ、と気づかされます。挫折をしてもだいじょうぶなんだと、と・・・」
それは、震災という大きな挫折をへたあとも変わらない。
「釜石の行きつけの飲み屋の女将さんはいつもいい気な声で笑うんです。”どうせ笑うなら、大きな声で笑ったほうが気持ちいいから”って」
その店も津波で流されてしまった。だが、「命は何とか助かったわけだから、また大きな声で笑っていると思いますよ」

そもそも希望とは与えられるものなのか。自分の外で光り輝いているものなのか。さらにいえば、希望とは未来にあるものなのか?
そうではない。希望はいまの自分の中にある。
順風満帆の未来を照らす希望は、「夢」「期待」「理想」と置き換えられる。それももちろん大切なのだが、僕がここで話したいのは、逆境に陥ったときに初めてその存在に気づく、今を乗り切るための希望について・・・。